シューカツ。その19
泣いても泣いても、なんにも解決しないのに。時間はこぼれ落ちるだけなのに。落ちた時間は、手元に返ってこないのに。
なんでこんなに弱く、脆く、生まれてしまったんだろう。なんでもっと自信もてるような人間に生まれなかったんだろう。
ずーと、劣等感の歴史。がんばれない、認めてもらえない。誰かにすごいね、って言ってもらいたいだけなのに。えらいね、って褒められたいだけなのに。
頑張ったよ!みて!って言っても、もっと上手くできるでしょ、なんでそんなに変なの、もっと『フツウ』にしなさい、それくらいなのね。
そればっかり、いつも褒めてもらえなかった。あの子はこうやってる、あの家はこうなのになんでお前は。ばっかり。
なんでなのかな、昔は今日こんな事があったよ!っていうのも、こういうものがあってね…っていうのも、全部笑顔で聞いてくれたのに。
それだから、家族が嫌いだし、私は浮いてるんだ。フツウがなになのかわからないから、普通も嫌い。みんなと同じは、いやだ。
いつも反抗してた。反抗期じゃない振りして、反抗ばかりしてた。
あーーー。泣いてばかりいてもしょうがないんだよ。
五月も、半ばを迎えるというのに。不安